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?@ 新聞記事データの一括管理による利便性向上

電子新聞では、新聞記事には文字情報だけでなく写真や動画等があることも重要な特徴である。一方、SGMLでは写真や動画を合む様々な形式のデータを取り込むことができるため、全てのデータを一括管理することが実現している。

 

?A 新聞記事データの様々なメディア形式への対応の容易化

新聞記事データの電子化により、新聞の配信手段は、紙、CD−ROM、オンライン等とメディアの多様化に対応している。例えば、紙面では一覧して見やすいレイアウトが要求され、オンラインでは紙面に掲載されない詳細情報や写真、動画、さらには音声の活用も可能となるといったことも実現される。

一方、SGMLを採用することにより、文書の構造や内容とレイアウト(組版情報)を分離することができる。すなわち、新聞情報を一括管理していながらメディアにあわせてレイアウトを変更することで、様々なメディア形式に容易に対応させることが可能になっている。

 

?B 新聞記事データの編集機能の高度化

電子新聞では、編集時に必要となる記事データの構成要素を新聞記事DTDにおいて定義している。そのため、記事を自動的に編集することが可能になる。

 

?C 新聞記事データの多様な検索形態の提供

大量の遡及記事の中からほしい情報を容易かつ迅速に、更には様々な角度から検索できることも、重要なサービスのひとつである。SGMLの文書を構造化し、文中にタグを付与するという特徴により、これらが可能になっている。例えば、文書のある構成要素(記事の見出し等)に注目した部分検索や、注目した記事に関連する記事を探す関連検索などを、容易に行うことができるのである。

 

以上は、CALSのアプローチにおいてSGMLの特徴を効果的に活用した事例の一つであると考えられる。このように、新聞記事が従来の紙からSGMLを用いた電子データになることにより、様々な利便性の向上や新たなサービスの可能性が見えてきたと言える。

 

 

 

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